知人のパーティで出会った34歳と意気投合
こんにちは、トイアンナです。数か月前にマッチングアプリ20個をダウンロードし、生き生きと婚活しておりました。
しかし、毎日 いいね! 返信、いいね! 返信、 いいね! 返信……。
いい加減、マッチングアプリに飽きた。
マッチングアプリを平行稼働させると、無限メッセージ地獄が生まれるのです。同時に10人以上とやりとりしていると、ひっきりなしにメッセージが来るので、婚活過労になるかと思ったわい。
もともとフリック入力には苦戦しているデジタルに弱いアラサー。「フリックで親指も痛いし、そろそろ休憩したいなぁ……」と思っていた矢先に、友達が起業したのでパーティのお誘いが。
これだ!!!
友達に「出会い探しに活用してもいい?」と許可をもらい、意気揚々とさまざまな出会いを探しにやってまいりました。
そこで出会ったのが、起業家の34歳男性。その会社さんがちょうどマーケターを募集していたこともあり、マーケティング歴7年目の私にとっては渡りに船。さらに相手はグルメと趣味も同じ。パーティの2時間、彼とめいいっぱい盛り上がりました。
彼となら幸せになれると思ったのに、facebookが怪しい
そのままデートの約束をとりつけ、パーティは解散。
彼となら幸せになれるかもしれない。こんなに趣味が合う人とめぐりあったのは初めて。ほろ酔いで電車に揺られながら、携帯を開いてさきほど追加した彼のfacebookを見ました。
うっ。
彼のfacebookは、普通の起業家と一線を画していました。
起業家はfacebookユーザーが多め。事業の進捗をマメに報告し、起業家同士のつながりを強めるからです。アラサーでもすっかりアクティブ率が下がったfacebookの投稿欄は、いまや起業家専用SNSになったといっても過言ではありません。
しかし、彼のfacebookにはビジネスの進捗など一切なし。代わりに、
「庭の紅葉が夏のうちに散っていた。こうして輝く暇(いとま)も与えられずに死んでいく命を思うと、今の僕に通ずるものがある」
「冷房による指先の冷たさ。過度の機械化によって、夏ですら身体感覚を奪われるという意味。これが生命として正しい姿なのか僕にはわからない。けれどこうして都会というコンクリートの小箱の中で、懸命に息をしている」
と、ポエムがびっちり。
これは危険の予感がする。けれど「あなたのfacebookが怖すぎるので、今度のご飯、やっぱナシで」という自信がない。
あー、どうしようかなぁ……と悩んでいるうちに、当日が来てしまったのです。
三島由紀夫リスペクト、世も末な男子とのデート
デートの場所は、銀座の和食屋さん。6,000円の予算で割り勘派の私にも配慮していただき、大変ありがたい。おいしいごはんに舌鼓を打っていると、お酒の入った彼のトークが始まります。
「いやあ、この前マーケティングだけじゃなくて文学の話をしてくれたから、会いたいと思ったんだよね。僕、三島由紀夫っていう作家を尊敬していてね。でも、三島由紀夫を知っているなんて女の子、そういないでしょう?」
三島由紀夫は誰でも知ってると思う。
「そうですかねえ……」と、適当に濁した私を、さらに追いかける彼の言葉。
「僕はね、毎日消えてしまいたいと思っているんだ。消えてしまいたい気持ちをかき消すように、起業してる。そうすれば死にたい気持ちも忙しさに塗り替えられて、今日という日をなんとか超えられるから。
そうやって1日を必死で乗り越えて、毎日生きてるんだ。けれど、たまにふっと失踪したいと思う。いまも家にいるのが嫌で、突然海外へ行ったりするんだ。そうするとなんとか生きていられる気がして、現世にとどまっていられる。三島由紀夫もきっと、そういう不安と戦っていたんじゃないかと思うんだよ」
三島由紀夫は日本の将来を憂いて自殺したはずですが。
文学の解釈を押し付けることはできませんし、三島由紀夫が実際にはうつ病を患っていて極端な自害を選んだ可能性はあると思うので、彼を否定はしませんが……ってそういうことじゃない。この人は危ない人だ。ガチだ。死なないために起業するって、あんたにとって起業は大型リストカットかいな。
起業の意義がどうであれ構いませんし、それで売りが立つならある種の天才かもしれません。しかし私は彼と一生添い遂げる勇気はありませんでした。
切るのも悩むの巻
さて、こんな危ういデートをした私ですが……男子はブロックしておりません。
前回の自己愛男子は、ブロックすればそれで終わりです。プライドが高い自己愛男子は、自分がブロックされたことを外部へ漏らすこともないでしょう。
傷つき、怒り、下手こけばfacebookへそのポエムを垂れ流しかねない。
よし、傍観者になろう。
私はそれから、彼への返信速度を徐々に下げ、デートの誘いが来るまえに「今すごくプロジェクトが忙しくて」と先制。次のチャンスをつぶしました。ごめんなさい、他にいい方法が思いつかなかった……。
やがて彼には新しい彼女ができたようで、facebookには悲しげなポエムと交互に、彼女との写真が並びました。って、彼女ができてもポエムはやめないんかい。グッジョブ彼女。グッバイ。
いっぽう、こんなでも彼氏ができるのに、私はいったい……と、プチ凹んでおりました。
そんな凹んでいる私にも、チャンスが訪れます。
次回へ、続く。
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