失恋は、風邪に似ています。風邪をひくと発熱・のどの痛み・鼻づまりなどいろいろな不快症状が出るように、失恋によって悲しみ・怒り・幸せそうな人への嫉妬などさまざまな心の症状が現れます。しかし、どちらも時間が経てば必ず元気になります。
失恋と風邪のもうひとつの共通点は、こじらせると長引くけれど正しくケアすれば早く元気になれることです。失恋したばかりの人や過去の失恋からなかなか立ち直れない人は、この記事を心の処方箋として役立ててください。
失恋がつらい理由
失恋のつらさを癒すには、まず失恋でつらくなる理由を知る必要があります。
突然の出来事を受け止めきれない
お互いに十分話し合い納得して別れたなら、心の傷はあまり深くならないでしょう。しかし恋人からいきなり振られるなどして突然失恋した場合はショックが大きく、なかなか現実を受け入れられません。
自分の存在価値を見失う
恋愛で心が満たされるのは、恋人が承認欲求(誰かに認められたい欲求)を満たしてくれるためです。失恋によって突きつけられた「自分は恋人から必要とされていない」という現実を拡大解釈して、「自分はいらない存在だ」と強い自己否定に陥る人も少なくありません。
過去の後悔や思い出が苦しみをもたらす
「もっと彼を大事にしていれば」「あんなことを言わなければ」と過去の言動を後悔しもう一度やり直したいと願いますが、振られてしまった後はどうすることもできません。さらにふたりで撮った写真やメール・LINEの履歴などを見るたびに幸せだった頃の記憶が蘇り、孤独な現在とのギャップで余計に苦しくなってしまいます。
失恋からの立ち直りが早い人、遅い人
失恋からすんなり立ち直れる人と、長期間失恋を引きずる人の違いは何でしょうか?
失恋からの立ち直りが早い人の特徴
以下に当てはまる人ほど、失恋からの立ち直りが早いと言えるでしょう。
・人脈が広い、または恋愛話ができる人がいる
・趣味が多い
・ストレス解消が上手
失恋の苦しみを癒すには、信頼できる人に話を聞いてもらうのが有効です。他にも多くの人との交流や打ち込める趣味、自分に合ったリラックス方法などで気を紛らわせることで、失恋のストレスをうまく解消できるでしょう。
失恋からの立ち直りが遅い人の特徴
以下にあてはまる人ほど、失恋から立ち直るのに時間がかかる傾向があります。
・何でも話せる相手がいない
・打ち込める趣味がない
・あまり外出しない
・恋愛依存体質
何でも話せる相手がいない人や趣味がなく家にこもりがちな人はストレス解消の機会が少なく、失恋の苦しみで頭がいっぱいになってしまいます。また恋愛依存体質の人は普段の生活や思考が恋人中心となり、失恋後も恋人(または恋愛そのもの)に強く執着するため、苦しみが大きくなります。
失恋で生じる悩み①:気持ちの切り替えができない
失恋によって生じてしまう悩みの中で、代表的なのがこの「気持ちの切り替えができない」といいうことではないでしょうか。
別れてしまった相手のことが好きなまま失恋してしまうと、その喪失感がいつまでも続き、気持ちが全く切り替わらないというのは、とてもわかります。
しかしいつまでもその状態のままでいては、日常生活にも支障が出ますし、何より次の恋愛に進む気分になれません。
では、どのようにしてこの気持ちが切り替えられないという悩みを解決すれば良いのでしょうか。
気持ちが切り替えられない原因の一つは、いつまでも別れた相手のことを引きずってしまい、別れてしまったという事実に直面せず、逃げてしまっているからというものです。
失恋して最初にしなければならないのは、別れた相手はもう自分のものでもなんでもなく、これからの人生はその人なしで生きていくという事実を認めることです。
逆に言えば、人生の中で別れてしまったという現実があるということは、その人との縁がなかったということです。
縁のない人とは、仮に将来結ばれたとしても幸福にならない可能性が高いのだということを認めれば、スッキリするかもしれません。
好きな人と別れてしまったということを、人によっては口に出せないこともあります。
黙って一人で抱えてしまっている間は、なかなか切り替えもできません。信頼できる友人などに思い切って話してしまうことで、気持ちの切り替えができるようになります。
そのほか、その相手との思い出をいつまでも大切にしていると、気持ちは切り替わりません。ものには思い出が詰まってしまっていますから、思い切って処分してしまいましょう。
失恋で生じる悩み②:仕事に集中できない
失恋によって生まれる生活の問題として大きなものが、相手が同じ仕事をしている人であると仕事が手につかなくなるというものがあります。
気持ちが別れてしまった喪失感だけに集中してしまうと、確かに仕事が手につかなくなってしまいます。
ある程度それが許される仕事であればなんとかやり過ごせますが、そうでない場合は下手をすれば職を失う可能性だってあり得ます。
しかし逆に仕事に集中できるようになれば、失恋について考えている時間も短くなり、より早く立ち直れるようになります。
もし現場の仕事がそれほど忙しくなく、仕事中にも失恋のことを思い出してしまうようでしたら、できるだけ仕事を忙しくしてしまうという方法もありです。
自分で仕事を詰め込めないのであれば、上司や同僚に忙しくなるような仕事を入れてもらっても良いでしょう。
これまでタスク管理が苦手だったら、失恋を機会にしっかりタスク表を作るなどの管理を始めてみれば、失恋を機に新しい仕事スキルを身につけることだって可能です。
失恋で生じる悩み③:思い出が浮かんできて、眠れない……。
失恋後の「睡眠」の問題も、健康面から見れば重大です。
別れた相手のことを考えていると眠れない、喪失感で情緒不安定になり目が冴えてしまうというのはよくあることですし、その期間が短ければ仕方のないこととして済まされます。
しかし長期にわたる睡眠不足はよくありませんし、睡眠不足こそメンタルのトラブル原因で、最も大きなものです。
情緒不安定になりがちなのは、実はこの睡眠が原因なのかもしれません。
できれば早く解決してしまいたいものです。
睡眠不足に対処するには、まず日中の行動が大切です。
特に体が疲れきらないとなかなか寝付けませんから、ジムに通ってできるだけ運動をするなど、疲れて眠れるようにするのが一番の方法と言えます。
さらに、眠る際には睡眠用のBGMをかけたり、睡眠のためのヒーリングアロマを焚いたりしてみましょう。
睡眠、快眠のためのスマホアプリもありますから探してみてください。
BGMやアロマを使えば、寝入ってからの睡眠の質も向上します。
ドラッグストアに行けば睡眠のためのサプリなどもありますから、試してみても良いでしょう。
就寝前に読書をするというもの、現実逃避できるという意味ではオススメです。
1秒でも早く失恋から立ち直る7つの方法
失恋から少しでも早く立ち直りたい人は、ぜひ以下の方法を試してみましょう。
1.誰かに話を聞いてもらう
失恋から立ち直るには、まず自分の苦しみとしっかり向き合うことが必要です。信頼できる相手に話を聞いてもらって感情を吐き出し、心の中を少しずつ整理しましょう。相談相手には、アドバイスしたがる人よりも共感してくれる人が適しています。
恋愛話ができる相手がいなければ、恋愛カウンセラーに相談するのもおすすめです。カウンセラーは話を聞くプロですし、日常生活上でのしがらみもないので、本音で話せるでしょう。
2.失恋ソングや映画を見て泣きまくる
失恋の苦しみを癒す方法として、いわゆる涙活(意識して泣くこと)も有効です。失恋を扱った音楽や映画で、思いっきり泣きましょう。曲選びに迷ったら、「M」や「桜坂」のように多くのアーティストにカバーされている名曲がおすすめです。
3.彼との接触や思い出を断つ
恋人のアドレスやメール・LINEなどの履歴は、思い切って消しましょう。恋人が職場仲間だったり共通の友人が多かったりして完全に音信不通になりにくい場合は、恋愛がらみのやりとりを全て消しましょう。幸せだった頃の思い出に囚われていると、なかなか気持ちを切り替えられません。
恋人とSNSでつながっている人は、フォローをやめるなどして恋人の動向が目に入らないようにしましょう。元恋人のSNSチェックをやめられない人が多いですが、これはつながり続けることで未練を断てなくなっているためです。
4.「運命の相手は他にいる」と自分に言い聞かせる
よく「初恋の相手とは結ばれない」と言われます。つまり、今幸せに過ごしているカップルや夫婦のほとんどは過去に失恋を乗り越えたということになります。
別れと同じく、新しい出会いも突然やってきます。恋人より素晴らしい運命の人との出会いを信じて、少しずつ前向きになる努力をしましょう。
5.恋愛以外の楽しみを見つけて没頭する
恋人のために割いていた時間を、他の楽しみに使いましょう。長年続けている趣味はもちろん、新しい趣味を探すのもおすすめです。恋愛に頼らなくても、趣味仲間と一緒に過ごしたり何かを作り上げたりすることで承認欲求を満たせます。失恋を忘れようとして仕事に打ち込む人もいますが、仕事のストレスをためないようほどほどにしましょう。
6.何もしない時間を減らす
何もしない時間が多いとつい失恋のことを考えてしまうので、何もしない時間をなるべく減らしましょう。誰かとご飯を食べて他愛のない話をしてもいいですし、お笑い番組などを見て大笑いするのもいいですね。
7.新たな出会いを探す
気持ちが落ち着いて「また恋がしたい」と思えるようになったら、新しい恋を探しましょう。人脈が広くない人や新しいフィールドで出会いを探したい人は、オミカレを活用して婚活・恋活するのもよいでしょう。
ただし、無理に新しい恋を探そうと闇雲にアプローチするのはNGです。焦ることでストレスが増すうえに、途切れなく恋愛にのめりこむことで恋愛依存状態になる恐れもあります。
恋にやぶれた女性の失恋エピソード&立ち直ったきっかけ
では、実際に失恋を経験し乗り越えた女性たちの体験談を見てみましょう。
「君は悪くないんだ…」28歳・OL
4年も付き合って結婚を意識していた彼から「君は悪くないんだ…」という曖昧な理由で振られてしまい、自分の何がいけなかったのかわからず納得できずしばらく引きずってしまった。でも数カ月後、友達に誘われて参加した婚活パーティーで気の合う人と出会えた瞬間、その彼のことなど頭からきれいさっぱり消えた。(笑)
「運動して気を紛らわせたら、痩せて自信がついた!」32歳・販売
彼の浮気が発覚してすぐに私から別れたが、家にこもっているとストレスで頭がおかしくなりそうだった。そこで毎晩ストレッチをして無理やり早寝し、休日は1日中外をウォーキングし続けた。そんな健康的な生活を2~3か月続けたら無駄な脂肪が落ちて自分に自信がつき、同時に「別れてよかった」と自然に思えるようになった。
失恋から学んだ教訓を次の恋愛に活かす!
失恋から学ぶことで今よりも素敵な女性に成長し、別れた恋人よりもっと素敵な人と出会うチャンスを増やしましょう!
一瞬一瞬を大事にできるようになる
「この幸せはずっと続くはず」と思っていても、時間の流れや環境の変化とともに人の心は変わります。また、ふとした偶然が出会いや別れのきっかけになることもあります。変わらない物事はないと気づくことで、今この瞬間の幸せを大事にできるでしょう。
失敗を教訓とすることができる
「メールの返事を催促しすぎて彼に負担をかけてしまった」「自分の気持ちをはっきり言葉で伝えなきゃ」というふうに、過去の失敗から学べることはたくさんあります。失恋の苦しみがいくらか落ち着いたら、自分の過去の言動を振り返ってみましょう。
失恋から立ち直ることで、強さを身につけられる
身を切るようにつらい失恋も、いつかは過去の恋話として笑って話せる日が来ます。「あんなにつらかった失恋も乗り越えられたんだ」と自分の強さに気づいた未来のあなたは、今よりもっと輝いていることでしょう。
傷ついた心に効く、失恋名言集
最後にいくつか、失恋の名言を紹介していきましょう。
古くから失恋や恋愛に関する名言はたくさんあります。
そんな名言の中から、今の自分にしっくりと馴染むものが見つかれば、痛みは小さくなるかもしれません。
愛情に満ちあふれた心には、悲しみもまた多いものである ― ドストエフスキー
もし今失恋の痛みに耐えられなくても、それが自分の愛情の深さの裏返しと考えれば、自分を大切にしなきゃと思いませんか?
失敗しなくちゃ、成功はしないわよ ― ココ・シャネル
CHANELの創業者の言葉だけに、重みを感じませんか?
恋愛もまた、失敗していくことで成功がつかめるのです。
われわれを恋愛から救うのは理性よりも多忙である ― 芥川龍之介
失恋の痛みを紛らわすためには忙しくするのが一番、と日本の文豪もおっしゃっています。
これだけは、覚えておきなさい。何もかも失ったと思える瞬間でさえ、あなたの未来は残っているということを ― ボブ・ディラン
ノーベル文学賞を受賞したアメリカのシンガーも、未来に対する希望について語っています。
どれだけ大きな失恋を経験しても、それでも未来はあるのです。
下を向いていたら、虹を見つけることは出来ないよ ― チャップリン
失恋してしまうとなかなか顔を上げて上を見ることができません。
それでも頑張って上を見れば、そこには虹がかかっているかもしれないということを、忘れないでください。
失恋の悲しみはいつまでも続かない!幸せは自分で掴みに行こう!
失恋で頭がいっぱいの今のあなたは、まるで底なし沼に沈んだような、あるいはいつ治るかわからない重い病気になったような気持ちでいることでしょう。しかし失恋の苦しみには必ず終わりがありますし、別れた恋人が最後の相手というわけでもありません。
今回は失恋から立ち直る方法を紹介しましたが、どうか無理をしないで自分のペースで失恋を乗り越えてください。苦しみを乗り越えて元気になった未来のあなたのもとに、運命の相手がきっと現れるでしょう。